建築の造形は、三浦特有の地形や断層の重なりから着想を得ています。 地層の隆起やずれをモチーフに、立体的な空間構成を計画しました。 たとえば、谷間のように細い路地空間をあえて通り抜けてから広がる共用部へと至る動線は、空間に抑揚をもたらし、印象的な体験を生み出しています。 「CLUB VILLA」では、建築ボリュームのずれによって生まれた高低差を、プライベートな屋上空間（焚火スペース）として活用。 さらに、トップライトから差し込む光を浴室へ導くことで、時間とともに移ろう光の表情を楽しめる空間としました。 「CLUB SUITE」は約70㎡とコンパクトながら、リビングに海を一望する大開口を設け、開放感に満ちた構成としています。 浴室には特徴的な曲面を採用し、水面に反射する光が天井を揺らめかせることで、まるで洞窟の中にいるような静謐な体験を味わえます。

NOT A HOTEL初のプールクラブであり、初の共用部フルハウスとして誕生する「MIURA POOL CLUB」。 これまでにない規模で展開され、関係者の領域も多岐にわたります。 また、インハウスデザイナーによる建築デザインであることから、デザインと事業が全体として調和し、一つの新しいモデルとなるよう、細部に至るまで丁寧に調整を重ねています。 このプロジェクトを通じて、NOT A HOTELとしての進化を示すだけでなく、周辺の街や三浦半島の自然環境、そして風景そのものにまで貢献できる存在となることを目指しています。